初夏に東京では「ほうずき市」が開かれ夏の到来を感じて
居ました。
毎年の事ですが「鬼灯市」の事を伝え聞くと子供の頃の事を思い出して
とても「鬼灯」が懐かしい物に感じられます。
子供の頃には東京の「ほうずき市」の事等知らずにいましたが
そんな時期になると、何処からともなく我が家へ「鬼灯」が届きました。
近隣の農家の人が届けてくれていたのでしょう。
鬼灯の殻の中にある「紅い実」を取り出して種を取り出し音を鳴らして
遊んだものです。




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地方に住む私には今でこそ浅草・浅草寺の「鬼灯市」の事を知る様に
なりましたが、子供の頃は単なる「夏の植物で遊び道具」に過ぎません。
年齢が高くなるに従い自宅の盂蘭盆会には「鬼灯」を仏様のお供え花に
入れて「お盆」を迎えたものです。
お墓にも鬼灯の入った花を活け夕方から墓参りに出かけたものです。

今では鬼灯は値段も高く貴重な「お盆」の花材になっていますがあの
橙色をした鬼灯を見る度に今でも無造作に「玩具」にして遊んだ事を
思い出します。
実家の墓へ夕方出掛けると、近くの子供達が沢山「お参り」に来ています。
でも「お参り」は形式だけで、実際には他所の家が活けた「鬼灯」が欲しくて
親の目を盗んで「一個、また一個」と失敬して行くのです。

失敬してい行くのは大抵は「男子」の役割で有った様です。
自分の妹に渡すのか?また仲良しの女の子に渡すのか?判りません。
今、考えてみれば「鬼灯」を失敬する事がお盆の一種の「楽しみ」で
有った様に思われます。
今では子供の数も少なくなり鬼灯が無くなる様な事は無くなりました。
もう8月も残す所僅かとなりました、そろそろ鬼灯の季節も終わりますね。






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