自転車から降りて回りを見回す中年の男性。
この町内の人ではありません。
自転車の前籠から、何やら取り出して又辺りを見回しています。
こうした人を見ると、自然にその人に視線が行ってしまいます。
その人は誰かから頼まれて、各家庭の郵便ポストにチラシを入れる
為にこの地区へ来たようです。







知らない顔の人を見れば当然用心をしてしまいます。
余り感心した事ではありませんが、世の中無用心になっている為
疑いの目で見てしまいます。
その人には『悪いなぁ~』と思いましたが、何か起きてからでは堪りません。
そうこうしている内に、近所にチラシを配り始めました。
私はその様子を一部始終みていましたので、私に近寄り
『奥さん、これをポストに入れています、済みませんが受け取って
 貰えませんか?』と、言います。

チラシは決められた場所に必ず配布する約束になっているようです。
地図を見ながら一軒ずつ配布して行きます。
途中で自転車にある残りのチラシを取りに来て言いました。
『ゴミになるだけで、申し訳ないですが、これは私の仕事なので・・・」と
言い訳をします。
そうなのです、彼らにはノルマが有ったのです!!
どんなバイトも楽じゃありませんね。
でも、そうした言い訳をして受け取って貰う事を考えるだけこの
バイトさんは良心的でしょう!!

途中で嫌気がさして、広告を捨ててしまう事も視野に入れなくては
いけません。
それは、一戸建ての家の販売実績を書き込んだ不動産屋のチラシでした。
この不景気な時に、どんな人が購入するのだろう?と一瞬思いました。
歯が抜けた様にあちらこちらで更地やコインパーキングが出来ています。
更地に新しい家でも建てば賑やかになりますが、どうやら当地区は
過疎化現象進行中のようです。
そのチラシは古い家の『買取』もしていると書かれていました。



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