26日に撮った赤い彼岸花のクローズアップは一枚だけでした。
数日前にNHKの報道で、「矢勝川の彼岸花咲きだしました・・・」と
映像を流していました。
今までにこの矢勝川の彼岸花の見事さは噂には聞いていました。
一度は訪れたいと思っていました。
乗用車で行くには一寸不安だし・・・。
色々考えた挙句、半田市在住の夫の従妹に当たる人に彼岸花の
様子を尋ねてみました。

結婚して半田市に住んで居ますが、余り彼岸花には興味が
無かったようです。
地元の人は「何時でも見れる!」と安心しているのですね。
私が「見たい」と希望を述べました所、「彼岸花まつり」の
最中だから最寄の駅からシャトルバスが出ているとの事でした。
26日に半田市へ行く約束をしておりました。
26日は彼岸花も満開の時期をむかへ、ハイキングの人達が
多数訪れていました。


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息を呑むような美しい彼岸花の群生。素晴しかったです。

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矢勝川はそれ程川幅の広い川では有りません。

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堤防を夫の従妹と一緒に歩きながら写真を撮っていました。
すると、お年の頃は70歳代半ば位の、上品な男性が私達に
話し掛けてこられました。
「どちらから、お出でになったのですか?」と。
その言葉が切欠でこの彼岸花の花が植えられた経緯を話して
下さいました。
現在では総数100万本とも言われる彼岸花の群生ですが
其処には一人の元・軍人さんの深い思いが有りました。

半田市在住の「小栗 大造さん」と仰る方が
先の大戦の折「B級戦犯」として現地で暮らす日々があったそうです。
実際にこの方は、何時処刑されるか判らない不安な日々を送られて
居た訳です。
戦地では多数の戦友を失い自らも「B級戦犯」の烙印を押され
私達では想像不可能な生活をなさったと聞きました。

運よく「小栗 大造さん」は帰国でき今日に至っています。
戦場で無念の死を遂げた戦友の事が頭から消える事は無く
何か彼らの為にして上げたいと「鎮魂の気持ち」から
この彼岸花を植え始められたのだそうです。
現在91歳、大正7年生まれ。
半田市を有名にした、童話作家「新美 南吉」とは幼馴染で
南吉と5最年下で、矢勝川の下流で一緒に泳いだ経験が有る
方とも聞きました。

小栗 大造さんは、現在もお元気で100万本に増えた彼岸花を
見守っています。
勿論ご高齢のため市民団体の人達が積極的に整備を行っているとの
事です。

唯、綺麗だから見たい!!。それが私の浅はかな思いでした。
其処には現地に行かなければ判らない人間の命がけのドラマが
有ったのです。
お声を掛けて下さった方は、ご自分から身分を明かす為に
名刺を渡して下さいました。
これも何かのご縁でしょうか、私も身元が判る様にして来ました。

夫の従妹は「sumikoさん、何で私達に話しかけたのでしょうね?」と
不思議がります。
多分私達を「人畜無害」と判断しての事でしょう。
現在の肩書きもちゃんと書き込んだ名刺ですから
変な方でない事は確実です。


小栗大造さんの戦友への鎮魂の思いはきっと、戦友たちに届いていると
信じたいです。






燃えよドラゴンズ!!
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