アメリカのボストン美術館と名古屋ボストン美術館は
名古屋ボストン美術館が、契約料金を支払ってボストン美術館の
作品を借りて、当地名古屋で公開をしています。
云わば、姉妹提携をしている様に感じていましたが
実際には、高額な契約料が必要で、一時は絵画の借り入れを
「中止したら・・・」との意見も出た時期がありました。

実際にボストンから借り受ける展示物は、契約料が高いと
云われる割には、私達は充分満足しているとはいえません。
開館当時こそ、眼を見張るような企画がありましたが
最近は一寸停滞気味だと、感じています。
今回の浮世絵展はボストン美術館に収蔵されている
5万点もの浮世絵の中でも、これまで大半が公開されないままに
過ぎていました。

厖大な収蔵品の中から、第一級品と言われる作品の公開は
大変良かったです。
江戸時代の女性の、美人の基準が浮世絵の女性だとしたら
僅かな年月の間に、日本の女性の美人の基準が随分変化して
欧米化の傾向に有る様に感じました。

鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重等
代表的な絵師の物は勿論,二代鳥居清倍の漆絵や
本場のボストン美術館内でも展示されていない磯田潮龍齋の
揃い物等、色目も鮮やかな初期浮世絵版画も充実していました。


ukiyoe

今から思えば、5万点もの
浮世絵が、アメリカの
収集家の手によって
持って行かれたのかと
思ってしまいます。


日本で生まれた作品が
アメリカの美術館に
有る事自体淋しい気が
してなりません。
日本人は当時、その価値が
判らずに居たのでしょうか。









ukiyoe

豪華な衣装を纏った花魁は
今の様な写真が無い時代で
絵師が描く姿、顔立ちが
ブロマイドの様な
役割を果たしていたに
違い有りません。

舞台で芝居を演ずる
役者の姿も同じです。
所作を模した絵が
華麗な色彩で描かれています。

浮世絵に出てくる人達の
衣装は、その時々に依って
図柄も考えてあり
先人達の知恵を感じました。

うりざね顔に柳腰、これが
当時の美人の条件で
有った様ですね。