例によって朝から訳の分からない所からの電話です。
それは「長男」の名前を名指して電話口へ「出してほしい」と言う事でした。
何となく怪しい男の話しぶりに私は「又か〜」と思いながらも一応応対は
しました。
「****さんにお願いします」と言い張ります。
息子とどんな関係なのか私には全く判りません。




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私は「のらいくらり」とかわしながら電話を切るタイミングを計って
いました。
私が知る範囲の友人で有れば、それは粗末には扱えません。
何時もなら「出勤しておりません」と言いますが今回は「もう、居ません」と
応えてしまいました。
「もう、居ません」と言う言葉に相手はどんな事を想像したか判りません。

そうしたら「もう、いらっしゃらないのですか?」とおうむ返しに尋ねます。
「はい、もういません」と再度答えました。
実際の所私の所に居ないだけで遠く離れた地で働いています。
「それは、残念でしたね・・・」と電話の向こうで話しました。
きっと、「この世に居ない」と思ったのでしょう。
圧倒的に長男に掛かる電話が多いのは何故なんだろう?と考えました。

再度「息子はもう居ませんから・・・」と念を押した私。
「失礼しました」と言って電話は切れました。

「もう、居ません」と言った言葉は「死亡」と解釈されたのかな?と
思いました。
元気に働いている息子の事を「この世に居ない」事にした私は
何となく後ろめたい気持ちで息子に対して「罪の意識」がありました。
知らない所からの電話には数々の「嘘」をついてきましたが今回の
「もう、居ません」は
良く無かったかな?と言葉使いの難しさを痛感しました。





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