35a4811a.jpg高齢の恩師

こちらから元旦に届けた年賀状は相手様には確実に届き
読んで頂けたようでした。

所が今年もその相手様からの年賀状は無く、主人は大変
心にかけていました。
若い頃は、便りが無いのは無事な証拠、等と言っていましたが
昨今ではその言葉は通用しない時代になりました。

その相手様は、主人が昔教えて頂いた先生だったからです。
恩師の動向が最近は気に掛けています。
新年に賀状が来ないと不安になるのは当然です。

一月末日、一通の葉書が届きました。
それは心配していた恩師からのものでした。
私は文面を読ませて貰いました。
人生の最終章とも言える年代になって、伴侶にも先立たれた
老人が孤独に耐えなくてはならない厳しさは、ご本人でなくては
判りません。
これが自分の人生と諦め乍ら
「致仕方なく」生きる姿は、何とも形容し難い複雑な感情が
こみ上げて来ます。

元々、お子様がいらっしゃらず、最後は「一人」で耐えなくては
ならない事は多分お若い」頃から覚悟はしていらしたと思います。
それにしても、子供も居なくて、たった一人で老境を行き抜く難しさ。
私はそんな事を自分の姿に置き換えた時、気が狂いそうに
なって来ました。

人は一人では生きられない、と言いますが、生きて行かなくては
なら無い人も現実に存在するのです。