「私、誰か判る??」と言って電話が掛かって来ました。
夫は受話器を持ってしばし「???」でした。
でも、直ぐに判った様で「登代子さん?、あ〜登代子さんお久し振り・・・」
満面の笑みです。
彼女とは同じ旅行で一緒になって以来、お付き合いが
続いています。

旅行が済んでから、私と登代子さんとの文通が始まりました。
書き出せばいろんな事が有り過ぎた旅行でしたが
その代わり思い出一杯の旅行となりました。
もう一昔も前の事ですが、相変わらず「会いたい、会いたい」と
彼女と私と夫は言っています。

彼女は既婚者ですが何時も一人旅。
お互い初めての長旅で一緒になり、親しくなったのです。
私の家にも泊まりに来ましたし、彼女の家にも泊まりました。
何時も、彼女は名前を言わずに突然
「私よ、判る?」ってな調子で電話を掛けてきます。

zannshozannsho







細かな事は気にしない、おおらかさが,旅行に行く度に
友達を増やしているようです。
元気そうに見えましたが、時間が経ってから聞いた話では
「膠原病」患者だったのです。
そして、難病を抱えながら、またがん細胞が育っていて・・・。
昨年久し振りに会える機会が有りそうでしたが、急遽癌の
摘出手術をして、会う機会を失いました。
色んな苦難を持ちながら、何時も登代子さんは前向きです。

zannshozannsho







闘病生活をしながら、登代子さんは
『元気な内に,行って来るわよ・・・』と、一人旅を
続けています。

色んな形の夫婦の姿が有りますが、ご主人の優しさと理解が
無ければ登代子さんの一人旅は実現不可能です。

zannshoさしずめ、彼女は大きな向日葵の
印象がする女性です。
何時か関東方面へ行く機会が有れば
また会いたいと思っています。

夫も登代子さんがそんなに難病で
苦しんでいる人には見えないと
その明るさに気持ちが動いています。

もう少し近くであれば、何時も会えるのに・・・。
埼玉までは、此処からは一寸遠過ぎます。
今度は、私が電話を掛けてみます。
夫は遠くのお友達から電話が有ると
途端に元気になっています。

二人の共通の友達として彼女とは多分元気で居る間は
交流が続く事でしょう。
「私、誰か判る?」の電話は、何時も楽しいお喋りタイムに
発展します。


向日葵は暑くても元気です。
雑草も元気です。
難病抱え込んでも、明るく元気な彼女に
肖りたいです。




燃えよドラゴンズ!!