大正生まれのその女性が結婚する時、私はまだ物事の分別が付くか
どうか?といった年頃でした。
親戚の同じ位の男の子と結婚式の「三々九度」の杯に夫婦の契りの
杯にお神酒を注いだ記憶が有ります。
雄蝶と雌蝶の役割です。
かすかな記憶が私には有ります。

飛び切りの美人で街では評判でした。
大正生まれとなれば、かれこれ90歳に手が届きます。
何年ぶりかで顔を合わせる機会が有りました。
満面の笑顔で私の手を握る姿は無邪気そのものです。
でも、私の事が判りませんでした!!
暫く手をしっかり握って「sumikoですけど〜」と名乗りました。

思考回路が破壊されて・・・。
明るくて、屈託が有りませんが、本当に「壊れて」しまっていました。
会話が繋がりません。
「大正生まれでね、もう還暦だから〜」と言います。
還暦どころか90歳なのですが「還暦」と思い込んでいます。

家に帰って来て、私は悲しくて、切ないほどの淋しさに
襲われました。
あの、おばさんが!!
何で??
眠れない夜を送りました。

写真の百日草の様に華やかで綺麗だった人も、病には
勝てなかったと思う事にしました。







燃えよドラゴンズ!!
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