もう何年前か忘れましたが、どこかの縁日で母が何かの「苗木」を
買ってきました。
植木市でも無かったと思いますが「ひょろり」とした苗木でした。
「綺麗な花が咲きますから・・・」と言われて買ったらしいのです。
何も判らず自宅の土地に植えました。
「ひょろり」とした苗木なのでしっかりと「添え木」をしておきました。
「どんな花が咲くのだろう?!」と期待がありました。




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苗木は意外に成長が早くて直ぐ人の背丈ほどになりました。
確かにこれまでの記憶では2〜3年程でポツリ、ポツリと花が
咲き出して居ました。
その頃「花の名前」は全く知らず苗木屋さんが言った通り綺麗な
花が咲き出して楽しみでした。

薄紫色をした綺麗な花は年を重ねる毎に数も増えて木も大きくなり
見事な成長ぶりです。
毎日朝咲き、夕方には散ります。
あの頃は植物の名前も判らず「あの花」と言って居ました。
その花は花の事を良く知った人に後日名前を教えて貰いました。

「八重咲きの槿」と言う事でした。
八重咲きの槿と名前を教えて貰ってから、私は辞書で色々調べました。
パソコンも無い時代でしたから、今の様に「検索」掛ける事も無く辞書で
調べるしか方法はありませんでした。
その時に「韓国の国の花」である事を知りました。

原産地は「中国」らしい事も判りましたし、白い槿の花は「根っこ」等は
薬用として重宝で有った事も知りました。
最近は自宅で咲いていた「八重咲き」の槿は余り見かけません。
自宅の槿は次々と花を咲かせ「一日花」でも随分楽しませて貰いました。
何年かは楽しみましたが突然花が咲かなくなり調べて貰ったところ
木の全体に「虫」が入り木が弱ってしまっているとの事でした。

残念でしたが我が家の槿とは「お別れ」でした。
夏になり「槿」の花を見る度に自宅で咲いていた、苗木から育てた
あの「八重咲き」の槿の事を思い出します。





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